📚湊かなえ『告白』
こんばんは☺今日も暑ーーーい、うだるように暑ーーーい一日でした🥵とはいえ、我が家は三連休の子どもたちの喧騒が消え去り…子どもたちが日中部屋にいないだけで室温までさがって感じた今日(笑)でもいよいよ今週末から夏休み!毎日子どもとすごせる楽しみと、体力もつかな…という不安と🤭あとは何より…”わたしが”給食が恋しくなる40日がもうすぐそこです🤣
湊かなえ『告白』 ★★★★★
まだまだイヤミス沼!今回は湊かなえさんの『告白』を読みました。湊かなえさんのデビュー作にして、その翌年2009年の本屋大賞も受賞した話題作。単行本の初版発行が2008年8月。改めて調べてみたらもう15年前の作品になるんですね🤔当時かなり話題だったのを覚えてるなぁ…😯文庫版の初版は2010年4月。わたしは同じ2010年6月に重版されたものを所有していますが、すでにこの段階で10回目の増版。今書店に並んでいるものは第何刷なんだろう😲驚きの人気ぶりだ!!
そんな『告白』が、もう何年も前からうちの本棚にあるのは知っていました。でも読んだ記憶がなく、当時本当にかなりの話題作だったから、その話題に乗じて買ったものの、いつのまにか積ん読タワー(いつもこれから読みたい積読本がタワーになって鎮座してます(笑))からもはじかれ、本棚にしまってしまったものとばかり思っていました😂
それが今回、突然のイヤミス沼にて漸く『告白』も本棚から日の目を見ることになったかと思ったら…どうもちゃんと読んだ跡がある😂付箋もはってるし、紙の折曲がり方とかも、未読本ではない様子。
たしかに読み始めてみたら、結末は忘れてたけど、初めてな感じはなく、なんとなく知ってる感覚で読めました。まるで正夢をみたような感じ。たまにないですか?夢で見たのか、同じようなことが前にも起きたのかよく分からいけど、なぜかこの後の展開を知ってる…なんて時。わたしはたまにあって、今回の再読はそれに近い感じがしました。
惜しい事をしたなぁ…と思うのは本を購入した13年前はまだ読書ノートをつけていなかった事。13年の月日が経っていると、その間に学生じゃなくなり、結婚をして、子どもを生み、その子どもが赤ちゃんじゃなくなり…そんな立場や生活の変化がある。その中で、当然価値観も物事の感じ方も変わってきたはず。13年前の自分はこの作品にどんな事を感じていたのだろう。やっぱり記録は大切だなぁと思いました。
『告白』感想 ※多少ネタバレ気味です※
短期間で湊かなえさんの作品を複数読んだけど、面白さがほかの作品の比ではない!
本当にデビュー作なのかと思う力量だし、こんな作品をデビューから書いてて今もなお新作を書き続けられるってとんでもない事!😮そんな『告白』は「聖職者」「殉教者」「慈愛者」「求道者」「信奉者」「伝道者」の全6章からなる長編小説です。しかし第1章「聖職者」のみで完結とする短編小説ですでに「小説推理新人賞」を受賞していたそう。たしかに第1章ですでに物語は成り立っているし、1章の最後がすでに「衝撃的なラストを巡り物議を醸し」ています。何なら長編としてのラストより、この「第1章 聖職者」のラストの方が衝撃をより強く出していると思う。
前回記事にした『往復書簡』の登場人物たちに秘められているのが”悪”なのに対し、本作『告白』の登場人物が抱えているのは”闇”。主人公の森口も娘を失い”闇”を抱えるし、少年AとBも、その親も猟奇的な”闇”を抱えている。新しい担任ウェルテルも理想の教師像を演じて目の前の生徒に本当の関心はなくどこか狂気の沙汰。妬みや僻み、憧れのような誰にだってある感情が、他の感情とバランスを崩した時、そのズレは狂気になり事件を起こす。そして復讐劇を招いていく事になる。
森口は復讐をやりきったはずなのに、なぜかモヤモヤも残る…。それは事件を起こした少年達も、又その後の復讐を成し遂げた森口も、だれをとっても救済された者がいないから。
はじめてこの作品を読んだ13年前の学生だったわたしは、どちらかというと爽快感が大きかったんじゃないかと思う。森口の復讐が成功してスッとしたかも。現実の事件でもよく遺族が死刑や極刑を希望してもなかなか希望のままな判決が下されないことはよくニュースで見るが、司法とは違う復讐、「死には死を」が成されて満足したかもしれない。
しかしわたしも母親になった今、娘を亡くした悲しみや恨みは、その相手を死に追いやったところで消えない事を知っている。果たして本当の「復讐」とは何だろう。救われることなんてあるのだろうか。この作中、唯一感情移入できるのが森口。復讐が悪とは思えない。語り口調が感情的でなく冷静なのも感情移入しやすく、復讐はまるで理論的にも正しい事かのようにすら感じる。でもその復讐の先にはどんな感情が残るのか。では逆に司法に委ねたらどうだったのか。
作中ではたくさんの問題提起がなされ、それを一刀両断に断罪していく様は、現実社会で司法に委ねるしかない私たちには、まさに「痛快」!ただ冷静に振り返ってみれば、いったい森口は「何を」告白したんだろう。
こういう所がやっぱり湊かなえ調なのかな。当時、特に映画公開後は酷評もあったらしい作品ですが、わたしは傑作だと思います☺そして何より…森口の語る声が脳内でずっと松たか子でした🤣👍平野啓一郎の『マチネの終わりに』も読む前から映画の宣伝をみてしまってずっと石田ゆり子と福山が脳内で動いてたんですよね…🤣(笑)
ということで、最後はどうでもいいお話でおやすみなさい😂今夜も読んでくださりありがとうございました!
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